- J‐L・フランドラン、M・モンタナーリ 編
- 宮原信・北代 美和子
菊地祥子・末吉 雄二・鶴田知佳子 訳 - A5上製 384頁
ISBN-13: 9784894344983
刊行日: 2006/3
西洋の食の歴史を俯瞰する記念碑的大著
「食」はどこへ向かうのか?――近・現代において、自然と文化から切り離され、産業化・均一化・個人化された「食」。それと共に歪みつつある、我々の「食」に対する意識。海外食材の大量輸入、レストラン・保存食品・ファストフードの誕生から、美食・ダイエット・健康信仰などにより大きく変化してきた食意識まで、今日の食生活の由来を説き明かし、その未来を展望する!
目次
第6部 西欧キリスト教世界から諸国家のヨーロッパへ ―― 15世紀-18世紀 (承前)
第34章 植民地原産の飲料と砂糖の飛躍的発展 (A・ユエ・ド・ラン)
16世紀における高級食材、砂糖 / アメリカのチョコレート / 近東のコーヒー / 極東の茶 / 砂
糖の勝利
第35章 料理を印刷する
―― 15世紀から19世紀にかけてのフランスの料理書 (Ph・ハイマン / M・ハイマン)
ルネサンス時代の印刷物 / 『フランスの料理人』 の遺産 / ヌーヴェル・キュイジーヌに向けて
第36章 食品の選択と料理技法 ―― 16 - 18世紀(J-L・フランドラン)
フランスにおける近代化 / 異なる味の嗜好、 異なる料理
第37章 栄養学からガストロミーへ、 あるいはグルマンディーズの解放 (J-L・フランドラン)
料理書に残る栄養学への言及 / 古い栄養学の禁止事項に対する違反の増加 / 医学界の
曖昧な姿勢 / DigestionとCuisineの意味 / 新たな概念 ―― 「よい趣味」 / 料理、 グルマ
ンディーズ、 ガストロノミー
第38章 近世の美術における食のイメージ (A・ヴェーガ)
農村から / 市場 / 調理場 / セッティングされた食卓 / ビュッフェ / 豪華な食卓 / その他
の食卓
第7部 現 代 ―― 19世紀 ― 20世紀
19世紀と20世紀 (J-L・フランドラン)
第39章 食品消費の変化 (H-J・トイテベルク / J-L・フランドラン)
数量データ / デンプン質 / ジャガイモとマメ類 / 果物と野菜 / 砂糖と砂糖入りの食品 / 肉 /
魚 / 牛乳と乳製品 / 卵 / 油脂 / 飲料 / カロリー水準と栄養のバランス
第40章 海外産農作物の侵入 (Y・ぺオー)
熱帯産採油植物の侵入 / 海外の果物と野菜
第41章 レストランの誕生と発展 (J-R・ピット)
起源 / 露店 / 18世紀、近代レストランの誕生 / ブーランジェ事件 / 19世紀におけるレストラ
ンの定着 / 外食産業と観光 / 20世紀のレストラン
第42章 食産業と新しい保存技術 (G・ペドロッコ)
18-19世紀の食と人口 / パンとワイン / 食品保存の問題
第43章 保存食品の味 (A・カパッティ)
起源 / 保存食品の成長 / 世紀末 / 保存食品の融合
第44章 食と健康 (P・ソルチネッリ)
「アンシャン・レジーム」 の経済における飢饉 / 健康は健全な食から始まる / 欠乏と社会的
ヒエラルキー、 ペラグラの場合 / 食と女性の健康 / 食と幼児の健康 / 20世紀の大きな傾向
第45章 地方料理の抬頭 ―― フランス (J・セルゴ)
地方料理のアンシャン・レジーム / 国土の多彩な姿を教育する / 空間と記憶の絆 / 共和国
の全国的料理モデル / ローカル空間の消費 ―― 観光とガストロノミー
第46章 地方料理の抬頭 ―― イタリア (P・メルディーニ)
最近2世紀の現象 / 「ガストロノミー革命」 と地方料理 / 最初の評論と最初の料理集 / 「伝
統の創作」
第47章 あふれる豊かさの危険 ―― アメリカ史における食・健康・道徳 (H・リーヴェンスタイン)
初期の植民者 ―― 地域循環型経済 / 近代化と初期の食改革 / 食改革の第二の波 / 「ビ
タミン熱」、 1917-1950年 / ベビーブーマー世代 / 自己批判のとき / 「マイナスの栄養学」
第48章 生活習慣の 「マクドナルド化」 (C・フィシュレル)
錠剤神話から侵略者神話へ / ヘンリー・フォードからマクドナルドへ / 過程における近代性、
電子レンジと冷凍 /電子レンジと冷凍 / 食は炉辺を離れる / ファーストフード、 あるいは組
立型料理 / ハンバーガーとピッツァ / インスタント料理 / 地球規模の画一化 / 合理化、 退
行、 快楽
結 論 ―― 現在と未来 (J-Lフランドラン / M・モンタナーリ)
訳者あとがきに代えて (宮原信)
原注及び参考文献
索 引
原タイトル一覧
執筆者紹介