- ルイ・アルチュセール 著
- 市田良彦・福井和美 訳
- A5上製 632頁
ISBN-13: 9784894341388
刊行日: 1999/6
アルチュセールの新たな全体像
歿後に公開された未刊原稿群がアルチュセール像を塗りかえつつある今、テーマ・文体・内容において既知の著作と好対照をなすテキストをセレクトした、話題の著作集。第1巻は編年式に、第2巻はテーマ別に編集。第1巻はよく知られた60年代の仕事──『マルクスのために』『資本論を読む』等──の「以前」と「以後」を発掘する。
目次
I アルチュセール以前のルイ・アルチュセール
編者解題
善意のインターナショナル (1946年)
G・W・Fヘーゲルの思考における内容について (1947年)
序 論
I 概念の誕生
A ヘーゲルとその生
B ヘーゲルとその時代
C ヘーゲルとカント
II 概念の認識
A 所与としての内容
B 反照としての内容
C 〈自己〉 としての内容
III 概念の誤認
A 悪い形式
B 悪い内容
C 良い器、 良い中身
人間、 この夜 (1947年)
ヘーゲルへの回帰 ―― 講壇修正主義の結語 (1950年)
事実問題 (1949年)
1 理論的な還元
2 実践的還元への展望
ジャン・ラクロワへの手紙 (1950-1951年)
結婚の猥褻性について (1951年)
II 危機のテキスト
編者解題
ルイ・アルチュセールによって立てられた一つの問い (1972年)
1 操作の原則
2 操作の結果
3 操作の 「証明」
4 第二法則の二の検証
5 「一般化」
自らの限界にあるマルクス (1978年)
1 マルクス主義の危機ついに炸裂す!
2 マルクス主義の理論的危機を検討しよう
3 マルクスは 「マルクス主義」 だったか
4 マルクス主義理論は労働運動に外在するものではなく、 内在する
5 マルクス主義は三つの源泉をもつ河なのか
6 まだ観念論に囚われているマルクス
7 では 「概念の全能性」 は?
8 一つの絶対的限界 ―― 上部構造
9 いかなる点で国家は 「道具」 であり、 「分離」 しているか
10 ではなぜ、 国家は機械であるのか
11 なぜプロレタリアート独裁か
12 再び、 国家-機械について
13 なぜ国家は 「特別な」 機械なのか
14 国家の身体について
15 国家の破壊について
16 国家の大いなる神秘化
17 国家めぐる擬似循環
18 物神崇拝について
19 イデオロギーをめぐるマルクスの 「絶対的限界」
20 グラムシのいうヘゲモニー
付 録 メラブへの手紙 (1978年)
III アルチュセール以後のルイ・アルチュセール
編者解題
出会いの唯物論の地下水脈 (1982年)
唯物論哲学者の肖像
(1986年)
原 注
編者注
訳者注