- 内田義彦 著
- 四六変上製 336頁
ISBN-13: 9784894342347
刊行日: 2001/5
「学問」の意味を「生きる」ことと切り離さず問いつづけた内田義彦作品集の決定版!真の「特殊性」を!
中江兆民、田口鼎軒、徳富蘇峰、森鴎外、河上肇らを軸に、日本における資本主義がどのように形成されてきたかを、歴史的、社会科学的に把握しようとする思想家・内田義彦の秀逸の「日本」論。
目次
〈プロローグ〉 われら何を為すべきか ―― コロンブスの小さな卵の話
I 『夕鶴』 の思想
『夕鶴』の世界 (対談・森 有正)
『夕鶴』をめぐって (対談・木下順二)
〈幕間〉 夕鶴と山本さんと
II 日本をみる眼、世界をみる眼
ユートピア物語としての 『三酔人経綸問答』 ―― 中江兆民を読む
憂と献身 ―― 森鷗外をめぐって
明治の巨人 鼎軒・蘇峰・河上
〈幕間〉好きな文章 ―― 内田百閒 『一等車』
III 河上肇と私
尊農論の河上肇
ある日の講話 ―― 河上肇への一つの入り口
河上肇と私
〈幕間〉「日本の社会科学」 の誕生に向けて
* * *
〈付録〉 日本資本主義を考える ―― 「資本主義論争」 ノート
〈エピローグ〉 古典に学ぶ ―― 野間宏への手紙
編集後記 / 初出一覧
関連情報
● 本セレクションについて ●
● 全巻構成 ● 1 生きること 学ぶこと
2 ことばと音、そして身体(対談集)
3 ことばと社会科学
4 「日本」を考える
私は日本語の分脈で社会科学的な思考を推し進めうるようになることが、社会科学の成立に必要であると同時に、日本語の成立にとっても絶対に必要だと思う。つまり、社会科学の言葉が日本語にならないがぎり、言い換えれば日本語が社会科学の用語と論理を自国語に取り入れ、そういうものとして日常語とのつらなりを持たせることができないかぎり、日本語は日本語になりえないのではないかと思う。われわれが日本語で考え、日本語で語り、日本語として聞くべきことは、ほとんどすべて、同時に社会科学的現象でもあるからである。(「考えるということの姿勢」セレクション第1巻より)
〈推薦〉 木下順二(劇作家) 中村桂子(生命誌) 石田雄(政治学) 杉原四郎(経済学)
● 全巻構成 ●