歴史の詩学

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  • フィリップ・ラクー=ラバルト 著
  • 藤本一勇 訳
  • 四六上製 216頁
    ISBN-13: 9784894345683
    刊行日: 2007/4

ハイデガーは、ルソーの何を恐れたのか?

ルソーが打ち立てる「ピュシス(自然)はテクネー(技術)」の可能性の条件」という絶対的パラドクス。ハイデガーが否認するルソーに、歴史の発明、超越論的思考、否定性の思考という「偉大なドイツ哲学」(ハイデガ)の“起源”を探り、ハイデガーのテクネー論の暗黙の前提をも顕わにする。
テクネーとピュシスをめぐる西洋哲学の最深部。
フィリップ・ラクー=ラバルト (1940―2007)、追悼記念出版


目次

Ⅰ  起源の舞台

1 ルソーを否認するハイデガー

歴史の起源としての詩作
ヘルダーリンの救済、 ルソーとの決別
「偉大なるドイツ哲学」 の起源

2 ルソーの存在 ― 技術論

哲学の創始的問いへの退歩
超越論的否定性としての起源
技術の可能性の条件としての自然

3 ハイデガーはルソーの何を恐れたのか

自然状態はひとつの劇場
カタルシスという問題
根源的演劇性


Ⅱ 先行的演劇

1 ルソーの引き裂かれた核心

演劇を断罪するルソー
偽りの憐れみとしてのカタルシス
プラトンとアリストテレスのミメーシス観
忌まわしいカタルシス

2 ルソーの弁証法

ギリシアという例 / 例外
カタルシスと弁証法
悲劇を止揚するルソーの祝祭

3 芝居がかる死

弁証法の前提としての演劇
演劇の否認が恐怖を生む
演劇の否認はコメディである


訳者あとがき

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