- 森崎和江
- 解説・梯 久美子
- 四六上製布クロス装 344ページ
ISBN-13: 9784894346697
刊行日: 2009/1
『からゆきさん』の出版――海峡は心をへだて、心をつなぐ。
海外へ売られた日本女性の足跡を緻密な取材で辿り、深い洞察で包む『からゆきさん』(1976年刊)の、渾身の執筆。アジアの女の傷にふれ、支配層―民衆の二層の差別に痛みつつ、“子産み”や“死”のあたたかで確かな手ざわりを求めて、沖縄、与論島、対馬……列島各地を歩き始める。
月報:徐賢燮/上村忠男/仲里効/才津原哲弘
目次
第1章 島人が越えた海――与論島・沖縄
ある帰郷
なお問いつづけたいこと
生のはじまり・死のおわり
与論島とその分村
映画「沖縄列島」について
渡 海
船の道は
霧島に抱かれた穏やかな風土
誰かの故郷――峠を越えて
民衆における異集団との接触の思想――沖縄・日本・朝鮮の出逢い
第2章 からゆきさんが越えた海
玄界灘を越えて
砂時計のおと
異国に散った女たち
日本の娼婦性
心のなかの対話
からゆきさんが抱いた世界
ジャパゆきさんに寄せて
海を渡った女性たち
天草灘
第3章 海峡の島
海峡の島
国境の島
祖母たちのくすり
早春の月と太陽
故人ともども元気で
マリア様の島
海鳴り
後 記
解 説 (梯久美子)
あとがき