ワクチン いかに決断するか――1976年米国リスク管理の教訓

価格: ¥3,960 (税込)
[ポイント還元 158ポイント~]
数量:
在庫: 在庫あり

返品についての詳細はこちら

twitter

  • R・E・ニュースタット+H・V・ファインバーグ 著
  • 西村秀一 訳
  • A5並製 472頁
    ISBN-13: 9784865783001
    刊行日: 2021/2

大規模なワクチン接種が始まる今、政治家、行政、メディア、そして市民にとって、必読の名著!

瀬名秀明さん(作家)推薦!
「私たちはパンデミックと闘うのではない。この社会と闘っているのだ。すべてが限られた状況で専門家はいかに判断し、政策者は何を決断すべきなのか。圧倒的な読後感の向こうに、私たちは未来への手がかりを確かに掴む。」


目次

 日本語版の出版にあたって(西村秀一)
 本書について(D・A・ハンブルグ)
 著者による解説

第Ⅰ部 オリジナル・レポート
  本レポートの刊行に寄せて(J・A・カリファノ・ジュニア)
  送り状
  謝 辞
 はじめに
 第1章 インフルエンザ新種出現
 第2章 センサーの決意
 第3章 クーパーの支持
 第4章 フォード大統領の決断
 第5章 組織立ち上げ
 第6章 臨床試験
 第7章 法的責任問題
 第8章 立法措置
 第9章 開始、そして中止
 第10章 カリファノ登場
 第11章 遺 産
 第12章 教訓を踏まえて
 第13章 専門的あとがき

第Ⅱ部 豚インフルエンザの後に、そして将来に向けて
 第14章 その後の展開
 第15章 教訓の使いみち――授業の題材として
 第16章 関係者聴取による総括

付 録
 A 豚インフルエンザ事件の時間的経過(1976年1月~1977年3月)
 B 重要参考文書
 C 有益な質問
 D 登場人物たち
 E 用語と関係機関
原注/推薦参考図書/索引
訳者あとがき――豚インフルエンザ問題を超えて

関連情報

1976年、フォード政権下のアメリカで、ひとりの新兵が豚由来のインフルエンザウイルスで亡くなった。1918年のスペイン・インフルエンザの再来を恐れる公衆衛生当局者が、大統領に全国民2億人以上へのワクチン接種を進言。大統領は決断を下し、史上最大のワクチン接種事業が実施された。だが、ギラン・バレー症候群などの副反応事案や、まぎれ込みによる有害事象が多発。事業は中止された。そしてインフルエンザの大流行も実際には起きず、厚生行政の汚点となった――本書は、この公衆衛生行政における一大事件について、行政学と公衆衛生のエキスパートであるふたりの著者が行政内部の意思決定の過程を詳細に検証した報告書をベースに、さらにこの出来事を将来への教訓として生かすための工夫を追加し、一般向け書物にした本の邦訳である。
(カバーソデから)

著者紹介

●リチャード・E・ニュースタット(Richard E. Neustadt)
1919-2003。政治学者。ハーバード大学J・F・ケネディ行政学大学院の行政学のLucius N. Littauer Professor、および同大学政治学研究所初代所長を務める。Alliance Politics (1970)やPresidential Power (1960)の著者としても有名。邦訳された著書に『ハーバード流歴史活用法――政策決定の成功と失敗』(E・メイと共著、三嶺書房、1996年)がある。トルーマン大統領時代、大統領補佐官のひとりとして働き、さらにはケネディ大統領およびジョンソン大統領時代にも大統領顧問として政策決定にかかわった。本事例研究は、彼のこうした豊富な経験ならびに1962年の「スカイボルト危機」の検証での活躍を知る、カリファノ保健教育福祉省新長官の依頼によってなされたものである。

●ハーヴェイ・V・ファインバーグ(Harvey V. Fineberg)
1945年生。医師であり、公衆衛生の専門家。ハーバード大学医学部でMDの学位を取得し、さらに同大学ケネディ行政学大学院でニュースタット教授に学び、公共政策学で修士の学位を取得。長年にわたり、ハーバード大学公衆衛生学部教授を務める。同学部長、米国医学アカデミー会長、カーネギー国際平和基金議長を歴任。現在Gorden and Betty Moore財団理事長。

【訳者】
●西村秀一(にしむら・ひでかず)
1955年山形県生まれ。
1984年山形大学医学部医学科卒業、医学博士。山形大学医学部細菌学教室(現感染症学教室)助手を経て、1994年4月から米国National Research Councilのフェローとして米国ジョージア州アトランタにあるCenters for Disease Control and Prevention(CDC)のインフルエンザ部門に留学、その後同部門の客員研究員。1996年12月に帰国。国立予防衛生研究所(現国立感染症研究所)ウイルス一部主任研究官を経て2000年4月より国立仙台病院(現国立病院機構仙台医療センター)臨床研究部病因研究室長、ウイルスセンター長。専門は呼吸器系ウイルス感染症、とくにインフルエンザ。
著書に、『新型コロナ「正しく恐れる」』(井上亮編、藤原書店、2020年)、訳書に、A・W・クロスビー『史上最悪のインフルエンザ』(みすず書房、2004年)、D・ゲッツ『感染爆発』(金の星社、2020年)、C・コーワン『ヒッポ先生シリーズ』(サイエンティスト社、2009年)がある。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

他にもこんな商品があります

新型コロナ「正しく恐れる」2 問題の本質は何か

¥1,980(税込)

数量:

新型コロナ「正しく恐れる」

¥1,980(税込)

数量:

ウイルスとは何か――コロナを機に新しい社会を切り拓く

¥2,200(税込)

数量:

パンデミックは資本主義をどう変えるか――健康・経済・自由

¥3,300(税込)

数量:

ナイチンゲール――「空気感染」対策の母

¥2,970(税込)

数量:

日本を襲ったスペイン・インフルエンザ――人類とウイルスの第一次世界戦争

¥4,620(税込)

数量:

強毒性新型インフルエンザの脅威〈増補新版〉

¥2,420(税込)

在庫切れ

ページトップへ