ヒポクラテスの告発――天然痘を根絶した蟻田功の遺言

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  • 木村盛世 著
  • 四六変並製 240頁
    ISBN-13: 9784865784459
    刊行日: 2024/12

偽りの医療の歴史は、結核対策(BCG)から始まった!

日本の医療政策の根本問題を提起!


目次

まえがき――医学後進国、日本

Ⅰ いまだに「太陽は地球の周りを回っている」――医学後進国、日本
 一 結核ワクチン(BCG)を使い続ける、日本の「非科学的医学」
 二 コロナで明らかになった、日本の医療の根本問題
 三 科学より古びた法律が大切!?

Ⅱ かつてはすごい日本人もいた!――天然痘を根絶した蟻田功
 一 日本の星、蟻田功
 二 天然痘という病気
 三 天然痘根絶の実現

Ⅲ 真の医療ある日本へ!――具体的に何をやらねばならないか
 一 「科学の進歩」は、既存の常識をくつがえす
 二 具体的に何をやらねばならないか?
 三 「ワクチン」を科学的に理解する

おわりに

あとがき――「地の時代」から「風の時代」へ
参考文献

関連情報

 果たして、自分が見聞きした事象が、稀なことなのか、それとも稀ではなく、頻繁に起こることなのかを見極めるためには、「科学的な検証」が必要になります。
 その科学的検証を、医学の世界では「EBM(Evidence Based Medicine)」=「科学的根拠に基づいた医学」と呼びます。
 ところが、日本ではこの「EBM」が未だに導入されたことはないのです。その大元となるのが、結核ワクチンとして日本ではよく知られ、使用されている、BCGの効果判定なのです。
 先進国と呼ばれている日本が、こと医学に関してはそうでない歴史を辿ったことを、書いてゆきたいと思います。
(「まえがき」より)

 本書では、蟻田先生の偉業にまつわる話を含め、エビデンスに基づかない医療政策とその弊害を強調してきました。
 そして、コロナでより鮮明になった、日本の医療政策の根本的問題点を踏まえて、今後何をしたらよいか、ということに関してもいくつか述べてきました。
 「天然痘根絶宣言」をした蟻田功先生は、「アフリカにいて、変なことをいっている、変な東洋人」でした。「天然痘は世界中に広がっているから、それを根絶することは不可能」とされていましたが、不可能なことは、成功すれば可能なこととなるのです。
 彼が強調したことは、「不可能と思われることも、決めたらやり遂げる強い意志をもつ」ことの重要性です。
(「おわりに」より)

著者紹介

●木村盛世(きむら・もりよ)
1965年茨城県藤代町(現取手市)生まれ。筑波大学医学群卒業。ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院疫学部修士課程修了。同大学でデルタオメガスカラーシップを受賞。内科医として勤務後、米国CDC(疾病予防管理センター)プロジェクトコーディネーター、財団邦人結核予防会を経て、医系技官として厚生労働省勤務(~2014年)。医療法人財団綜友会 医学研究所所長を経て、一般社団邦人パブリックヘルス協議会を設立、代表理事に。日本医師会認定健康スポーツ医、日本医師会認定産業医。
〈著書〉
『厚生労働省崩壊――「天然痘テロ」に日本が襲われる日』講談社 2009
『厚労省と新型インフルエンザ』講談社現代新書 2009
『新型コロナ、本当のところどれだけ問題なのか』飛鳥新社 2021
『誰も書けない「コロナ対策」のA級戦犯』宝島社 2021
『医者にかからない幸福』ビジネス社 2024 他

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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