- 新保祐司 著
- 四六上製 264頁
ISBN-13: 9784865782912
刊行日: 2020/11
なぜベートーヴェンは近代を、そして現代を超えるのか?
近代の暮れ方に訪れた新型コロナ禍の“異常な”100日間、ベートーヴェンの作品を1日1曲、ほぼ全て聴き尽くして辿りついた、ベートーヴェンの神髄とは? 新たな主題の「発見」でも、主題の新たな「解釈」でもなく、真に内発的な「主題の変奏」という、その「天才」の本質に迫る力作批評。
◎生誕250年記念出版!
目次
まえがき第一部 ベートーヴェンを聴きつづけるという事
第二部 ベートーヴェン 一日一曲
ピアノ・ソナタ第1番~第32番
ヴァイオリン・ソナタ第1番~第10番
チェロ・ソナタ第1番~第5番
交響曲第1番~第9番
ピアノ協奏曲第1番~第5番
ヴァイオリン協奏曲
弦楽四重奏曲第1番~第16番、弦楽四重奏曲のための「大フーガ」
序曲「コリオラン」 「エグモント」序曲
「レオノーレ」序曲第2番・第3番 「フィデリオ」序曲
七重奏曲 ピアノ三重奏曲第4番・第7番 荘厳ミサ曲
交響曲第5番「運命」ピアノ版 交響曲第6番「田園」 ピアノ版
6つの変奏曲 15の変奏曲とフーガ 自作の主題による32の変奏曲
7つのバガテル 6つのバガテル 「エリーゼのために」
ロンド・ア・カプリッチョ
ヘンデルのオラトリオ「ユダス・マカベウス」の主題による12の変奏曲
モーツァルトの歌劇「魔笛」の「恋人か女房か」の主題による12の変奏曲
モーツァルトの歌劇「魔笛」の「愛を感じる男たちには」の主題による7つの変奏曲
ディアベリのワルツによる33の変奏曲
補遺 声楽曲
●演奏家のスケッチ
フリードリヒ・グルダ ソロモン グレン・グールド ルドルフ・ゼルキン
ヨーゼフ・シゲティ カール・シューリヒト ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
カペー・カルテット ブッシュ・カルテット
スヴャトスラフ・リヒテル マウリツィオ・ポリーニ
フィナーレ
あとがき
主要参考文献/ベートーヴェン略年譜(1770-1827)/人名・楽団名索引
関連情報
今回、ベートーヴェンの音楽を聴き直しているうちに、特にその晩年の傑作群は、まさに「近代人」ベートーヴェンが、「近代によつて」「近代に勝」った稀なる精神の劇として聴こえて来たのである。ベートーヴェンの究極の偉大さは、近代人ベートーヴェンが、近代によって近代に勝ったということである。ベートーヴェンの音楽を聴きつづけるということは、近代に対峙しつづけることであり、だから、「或る精神の勁さが必要」なのである。そして、ついに「近代によつて近代に勝つ」という究極に辿り着くことである。(本書より)
【著者紹介】
●新保祐司(しんぽ・ゆうじ)
1953年生。東京大学文学部仏文科卒業。文芸批評家。著書に、『内村鑑三』(1990年。文春学藝ライブラリー、2017年)『文藝評論』(1991年)『批評の測鉛』(1992年)『日本思想史骨』(1994年)『正統の垂直線――透谷・鑑三・近代』(1997年)『批評の時』(2001年)『信時潔』(2005年)[以上、構想社]、『島木健作――義に飢ゑ渇く者』(リブロポート、1990年)、『フリードリヒ 崇高のアリア』(角川学芸出版、2008年)、『異形の明治』(2014年)『「海道東征」への道』(2016年)『明治の光・内村鑑三』(2017年)『「海道東征」とは何か』『義のアウトサイダー』(2018年)『詩情のスケッチ』(2019年)[以上、藤原書店]、『明治頌歌――言葉による交響曲』(展転社、2017年)がある。また編著書に、『北村透谷――〈批評〉の誕生』(至文堂、2006年)、『「海ゆかば」の昭和』(イプシロン出版企画、2006年)、『別冊環⑱ 内村鑑三 1861-1930』(藤原書店、2011年)がある。クラシック関係の著作としては、『国のさゝやき』(2002年)『鈴二つ』(2005年)[以上、構想社]、『シベリウスと宣長』(2014年)『ハリネズミの耳――音楽随想』(2015年)[以上、港の人]がある。2007年、第8回正論新風賞、2017年、第33回正論大賞を受賞。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです
【著者紹介】
●新保祐司(しんぽ・ゆうじ)
1953年生。東京大学文学部仏文科卒業。文芸批評家。著書に、『内村鑑三』(1990年。文春学藝ライブラリー、2017年)『文藝評論』(1991年)『批評の測鉛』(1992年)『日本思想史骨』(1994年)『正統の垂直線――透谷・鑑三・近代』(1997年)『批評の時』(2001年)『信時潔』(2005年)[以上、構想社]、『島木健作――義に飢ゑ渇く者』(リブロポート、1990年)、『フリードリヒ 崇高のアリア』(角川学芸出版、2008年)、『異形の明治』(2014年)『「海道東征」への道』(2016年)『明治の光・内村鑑三』(2017年)『「海道東征」とは何か』『義のアウトサイダー』(2018年)『詩情のスケッチ』(2019年)[以上、藤原書店]、『明治頌歌――言葉による交響曲』(展転社、2017年)がある。また編著書に、『北村透谷――〈批評〉の誕生』(至文堂、2006年)、『「海ゆかば」の昭和』(イプシロン出版企画、2006年)、『別冊環⑱ 内村鑑三 1861-1930』(藤原書店、2011年)がある。クラシック関係の著作としては、『国のさゝやき』(2002年)『鈴二つ』(2005年)[以上、構想社]、『シベリウスと宣長』(2014年)『ハリネズミの耳――音楽随想』(2015年)[以上、港の人]がある。2007年、第8回正論新風賞、2017年、第33回正論大賞を受賞。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです