- ウォーラーステイン 網野善彦 川勝平太 榊原英資 山内昌之 ほか著
- A5並製 240頁
ISBN-13: 9784894341593
刊行日: 1999/12
藤原セレクション『地中海』(全十巻)完結記念
歴史はもとより、行政、経済、文学、ジャーナリズム、政治……各分野の第一線でいま活躍する50人の多彩な執筆陣が、今世紀最高の歴史書『地中海』の魅力を余すところなく浮き彫りにする。アカデミズムにとどまらず、各界の「現場」で21世紀を切り開くための知恵に満ちた『地中海』の全体像が見渡せる待望の一書!
目次
プロローグ
市場、 資本主義、 歴史
榊原英資
第 I 部 『地中海』 と私
地球史へのプレリュード
川勝平太
事件史と 『地中海』
―― 国際関係史の視点から
中西輝政
地中海世界とアフリカ
―― 『地中海』 第 I 部第三章によせて
川田順造
豊饒の海、 地中海
―― 中東、 イスラーム研究の視点から
黒田壽郎
文明の衝突と借用
―― 『地中海』 第 II 部第六章によせて
山内昌之
東南アジア史と 『地中海』
石井米雄
新しい人類史へと誘う書
―― 『地中海』 にふれて
網野善彦
ブローデルの世界
(インタビュー)
二宮宏之
『地中海』 全巻を完訳して
(インタビュー)
浜名優美
第 II 部 『地中海』 名言集
複眼的接近の魅力
石田 雄
歴史家ブローデルの姿勢
入江隆則
〈海と人間〉 という世界史像
川勝平太
「帝国の黄昏」 と 『地中海』
進藤榮一
知悉と驚嘆
杉山光信
「出来事」 をどうみるか
竹岡敬温
出来事の重み
浜田道夫
ブローデルのあとに
福井憲彦
文明 ―― 地中海の複雑な登場人物
山内昌之
「長期持続」 と 「物質代謝」
山田鋭夫
おもいがけないアフォリズムに満ちて
米山俊直
“名言”の宝庫
粕谷一希
「地中海は、 山地の間にある海である」
桑田禮彰
「ブルジョワ階級の裏切り」
芝 修身
思想としての 『地中海』
渡辺一民
歴史意識をとり戻す解毒剤
辻井 喬
内在する眼、 超越する眼
宇波 彰
日本史の読み直しと 『地中海』
河野信子
江戸学、 アジア学をブローデルの地球につなぐ
田中優子
幸福になれる場所
長尾重武
持続。 あるいは変容
西川長夫
胸躍る 「語り」
山田登世子
歴史家、 思想家そして文学者
永畑道子
山が移動する
立松和平
第 III 部 『地中海』 道案内
「世界劇場」 という時空概念
阿河雄二郎
経済と文化
井尻千男
新しい知の枠組みを探求する
板垣雄三
資料の海から歴史を再現
井出孫六
文明の生きた律動を描きだす
伊東俊太郎
『地中海』 とレギュラシオン
井上泰夫
歴史と日常性
入江隆則
多様な要素のつながりあう地中海
宇波 彰
ミシュレとブローデル
―― 語りの魅力
大野一道
フランス学問史の象徴
樺山紘一
ブローデルの地中海、 私たちの瀬戸内海
神木哲男
一国史的発想を吹きとばすインスピレーションの宝庫
川勝平太
陸地史観から海洋史観へ
―― 開かれた新しい史学の誕生
川勝平太
『地中海』 の今日的意味
―― 世界への視線と総合の魅力
木村尚三郎
『存在と無』 と 『地中海』 の出会い
――サルトルが 『地中海』 を読む
桑田禮彰
地中海という歴史的人物の全体史
五味文彦
『地中海』 がさし示す 「ヨーロッパ」
佐伯啓思
民衆の日常生活への視線
杉山光信
地中海世界を統一把握する
鈴木 董
歴史の構造と事件
―― 『地中海』 の提示する課題
竹岡敬温
明確な物語性をもつ 『地中海』 の魅力
二宮宏之
戦後の歴史学を一新
浜名優美
「全体史」 と翻訳作業
浜名優美
地球環境の価値と人間の営み
福井憲彦
イスラーム史から見たブローデル 『地中海』
山内昌之
現代にも通じる文明論
山内昌之
「出来事」 の歴史叙事詩
山内昌之
今日最も切実な知的課題を先取りする
山口昌男
文学をも震撼させる茫々たるエクリチュール
山田登世子
変動局面の人間、 ブローデル
I・ウォーラーステイン
(浜名優美 訳)
『地中海』 と日本
I・ウォーラーステイン
(山田鋭夫 訳)
知的に考えさせる本、 『地中海』
I・ウォーラーステイン
(井上泰夫 訳)
私にとっての 『地中海』
P・ブルデュー
(加藤晴久 訳)
模範的な仕事
―― レギュラシオニストが読む
R・ボワイエ
(井上泰夫 訳)
エピローグ
のびゆく本 ―― 『地中海』
L・フェーヴル
(浜田道夫 訳)
『地中海』 関連書誌 (浜名優美 編)
『地中海』 の各国語翻訳 / フェルナン・ブローデルの著作 / 『地中海』 関係研究書 / ラジオ・テレビ番組
フェルナン・ブローデル略年譜
初出一覧
編集後記
著者紹介