- イマニュエル・ウォーラーステイン ほか著
- 浜田道夫・末広菜穂子・中村美幸 訳
- A5上製 320頁
ISBN-13: 9784894345133
刊行日: 2006/4
「歴史学の革新」とは何か?
ブローデルによって開かれた諸科学の総合としての歴史学の時間・空間。その広大無比なヴィジョンにはどんな未来がはらまれているのか?「アナール」に触発された気鋭の論客8人が、社会学、経済学、地理学を武器に「歴史の方法」に挑む。“ブローデル以後”の思想の可能性を豊かに開く、刺激的な論考群!
目次
序 歴史への招待
ティエリ・パコ
第I部 ブローデルとアナール派
1 変動局面の人
イマニュエル・ウォーラーステイン [社会学・歴史学]
1 人生の時間
2 3つの抵抗運動
3 勝利者アナール派
4 新しいアナール派か?
2 分裂した相続人たち
フランソワ・ドス [思想史]
1 種まきのとき
2 収穫のとき
3 中核と星雲
第II部 資本主義と市場
3 新しい空間=時間
フランソワ・フルケ [経済学・社会学]
1 ブローデルはどのようにして経済=世界を考え出したか
2 因果関係は空間と時間のなかにある
3 認識と演出
4 国内的な問題設定 ―― マルクス
5 世界的な問題設定 ―― ブローデル
6 「共生」 とそれにたいする批判
7 資本のメタファーか、 都市のメタファーか
8 都市と農村か、 あるいは都市と国家か
9 ブローデルは学者か、 否、 芸術家だ
4 壮大な構想 ―― 物質文明・経済・資本主義 (15―18世紀)
ミシェル・モリノー [歴史学]
1 学者が総督に頼るとき
2 「資本」 cavedalを読み解く
3 ヨーロッパ中心主義と巨大=中心都市
5 市場の支配力
アラン・カイエ [社会学]
1 経験的反論
2 経験論的反論
3 理論的反論
6 資本主義と近代性 ―― マックス・ヴェーバーは考慮の対象外か
フィリップ・ステネール [社会学・経済学]
1 ヴェーバーの資本主義からブローデルの資本主義へ
2 ヴェーバーに向きあうブローデル
3 2つの方法の結合
第III部 歴史と地理
7 「あるフランスへの情念、 ある歴史の概念」
モーリス・エマール [歴史学]
1 美し国フランス
2 「要求の多い複雑な情念」
8 地理学者ブローデル
イヴ・ラコスト [地理学]
1 歩んだ道と方法的一致
2 そもそも地理学とは何か。地理学者とはどのような存在か
3 ブローデル ―― 実際に広い地理性の概念
4 ブローデル ―― ヴィダル的ではない地理概念
5 ブローデル ―― 実際には 「不動」 ではない地理
6 差異化する空間性原理のアプローチ
7 ブローデルはなぜ、すぐれた地理学者なのか
8 ブローデルの著作のなかで、 『フランスのアイデンティティ』 が提起する問題
訳者あとがき
参考文献
ブローデルの著書
ブローデル略歴
著者紹介
人名索引