いま、なぜゾラか――ゾラ入門

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  • 宮下志朗・小倉孝誠編
  • 四六判 328ページ
    ISBN-13: 9784894343061
    刊行日: 2002/10

あなたはゾラを知っているか?「ゾラ・セレクション」プレ企画

自然主義文学者という型に押しこめられていた不遇の作家ゾラ。しかし彼は金銭、セックス、レジャー、労働、大衆消費社会と都市……等々の主題をめぐる濃密な物語を描いた二一世紀の作家だった!従来の評価を覆すゾラ像を呈示。(附)ゾラ略年譜、短篇「猫たちの天国」、「居酒屋」「ナナ」取材ノート他




目次

いま、 なぜゾラか
人類の良心を体現 ―― ゾラ追悼演説 (抄)
編 者
アナトール・フランス

第1章 ゾラの魅力
〈鼎談〉 山田稔+宮下志朗+小倉孝誠

1 ゾラと日本
2 ゾラの作品について
3 ゾラの現代性

第2章 マルチ作家の肖像  ―― ゾラ文学の射程
小倉孝誠

不遇な作家  ゾラの復権  小説家ゾラの価値  ジャーナリストとしてのゾラ
炯眼な美術批評家  ゾラ文学の新しさ

第3章 ゾラの多面性

1 小説家
2 文学評論家 ―― 地平の拡大に向かって
3 美術評論家 ―― 絵画と文学の共闘と乖離
4 ジャーナリスト ―― 素早く、 具体的に、 かつドラマティークに
宮下志朗・小倉孝誠
佐藤正年
三浦 篤
菅野賢治

第4章 ゾラの面白み あれこれ
宮下志朗・小倉孝誠

創作スタイル / 取材ノート
鉄道 / デパート / 万国博覧会
セクシュアリティー / 女の身体 / においと文学 / 病の表象
オランピアの眼差し / 映画化されたゾラの作品 / 写真
自転車 / ギャンブル / 小道具と俗語表現 / 雨樋の猫 / メダン / 官能の底 / ゾラの動物好き
死刑制度 / 犯罪
小説の作法
近代性 (モデルニテ)
身 体
視覚芸術
風 俗
闇の世界

第5章 文学マーケット  ―― バルザックからゾラへ
宮下志朗

文学志願者たち  「文学を殺す店」 と直販方式  小説の時代へ  文学における金銭
新聞連載小説との競合  「アカデミー」 による聖別と月額保証

第6章 ゾラはこれまでどう読まれてきたか
小倉孝誠

1 ゾラと同時代人たち
2 ゾラと20世紀の作家
3 現代の批評装置はゾラをどう読んだか
4 歴史家たちの視線
5 ゾラと日本


〈付録1〉 ゾラ年譜
〈付録2〉 猫たちの天国
〈付録3〉 共和国大統領フェリックス・フォール氏への手紙 (抄)
〈付録4〉 取材ノートから
小倉孝誠
E・ゾラ (宮下志朗訳)
E・ゾラ (菅野賢治訳)
E・ゾラ (小倉孝誠訳)


あとがき  小倉孝誠

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