美か義か――日本人の再興

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  • 新保祐司 著
  • 四六上製 216頁
    ISBN-13: 9784865784510
    刊行日: 2025/2

その選択は人生重大の問題である。――内村鑑三

内村鑑三の「美と義」を出発点に、葛飾北斎と富岡鉄斎、『葉隠』と山鹿素行、兼好法師と北畠親房、小林秀雄と保田與重郎、川端康成と島木健作などを対比しつつ、日本人の精神史を貫く「義」を刻みだす。
「戦後八十年」「昭和百年」を迎える年に、「義」無き美にふやけた戦後の昭和・平成との訣別を宣言する、時代への啖呵!


目次

序章 美の日本と義の日本

第1章 葛飾北斎か富岡鉄斎か

第2章 大伴家持の言立

第3章 「こわい雑巾」と「きれいな帯」

第4章 義なき『葉隠』の武士道

第5章 「和製ピューリタン」乃木希典

第6章 「非凡なる凡人」の椅子

第7章 中島敦とベートーヴェン

第8章 同時代人、兼好法師と北畠親房

第9章 天狗党の行軍、あるいは巡礼

第10章 「願わくば我に七難八苦を与え給え」

終章 義は侠骨によって立つ


主要人名索引

関連情報

内村が、美よりも義を強調するのは、もちろん義を重視する考えに基づいているが、背景としては、この「美と義」という文章が、大正12年の8月19日のものであることと関係していると思われる。大正という美の時代に批判的だったからである。江戸時代という美の時代を変革した義の明治時代を生きて来た内村鑑三には、大正時代は美に耽溺し義を軽んじる時代と見えた。

平成は、第二の大正とも言える時代であり、この内村の批判が当てはまる時代であった。「たゞ芸術と恋愛とのみを語つて居る」時代だったと言えるのではないか。だから、令和は、義の時代とならねばならないのだ。日本の希望は、「其民の内に強く義を愛する者」が陸続として出現することにある。 (本書より)

著者紹介

●新保祐司 (しんぽ・ゆうじ)
1953年生。東京大学文学部仏文科卒業。文芸批評家。
著書に、『内村鑑三』(1990年。文春学藝ライブラリー、2017年)『文藝評論』(1991年)『批評の測鉛』(1992年)『日本思想史骨』(1994年)『正統の垂直線――透谷・鑑三・近代』(1997年)『批評の時』(2001年)『信時潔』(2005年)[以上、構想社]、『島木健作――義に飢ゑ渇く者』(リブロポート、1990年)、『フリードリヒ 崇高のアリア』(角川学芸出版、2008年)、『異形の明治』(2014年)『「海道東征」への道』(2016年)『明治の光・内村鑑三』(2017年)『「海道東征」とは何か』『義のアウトサイダー』(2018年)『詩情のスケッチ』(2019年)[以上、藤原書店]、『明治頌歌――言葉による交響曲』(展転社、2017年)がある。また編著書に、『北村透谷――〈批評〉の誕生』(至文堂、2006年)、『「海ゆかば」の昭和』(イプシロン出版企画、2006年)、『別冊環⑱ 内村鑑三 1861-1930』(藤原書店、2011年)がある。
クラシック音楽関係の著作としては、『国のさゝやき』(2002年)『鈴二つ』(2005年)[以上、構想社]、『シベリウスと宣長』(2014年)『ハリネズミの耳――音楽随想』(2015年)[以上、港の人]、『ベートーヴェン 一曲一生』(2020年)『ブラームス・ヴァリエーション』(2023年)[以上、藤原書店]がある。
2007年、第8回正論新風賞、2017年、第33回正論大賞を受賞。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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