家族システムの起源 1 ユーラシア 下(全2分冊)

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  • エマニュエル・トッド 著
  • 石崎晴己 監訳
    片桐友紀子・中野茂・東松秀雄・北垣潔 訳
  • A5上製 536頁 図版多数
    ISBN-13: 9784865780772
    刊行日: 2016/6

E・トッドによる世界史!

人類の起源的家族形態は核家族である、と見抜いたトッドは、ヨーロッパの繁栄の理由が、技術的・経済的発展を妨げる家族システムの変遷を経験しなかったからだと分析する。つまり、ヨーロッパは家族システムの面では、古い形態が残って起源的な形態に留まり続けているのである。
(下)ヨーロッパ/中東(古代・近年)


目次

第7章 ヨーロッパ――序論
第8章 父系制ヨーロッパ
第9章 中央および西ヨーロッパ――1 記述
第10章 中央および西ヨーロッパ――2 歴史的解釈
第11章 中東 近年
第12章 中東 古代――メソポタミアとエジプト
第Ⅱ巻に向けて――差し当たりの結論

 原註
 訳者解説
 訳語解説
 参考文献
 図表一覧
 索引(地名・民族名/人名)

関連情報

■核家族が最も古い形態であるとするトッドの命題は、果たして世界の、少なくともヨーロッパの人類学界に衝撃を与えた。というのも、これまでのヨーロッパの常識は、大家族(例えば家父長に支配される)が最も古い形態であり、核家族とは、近代に近づく中で生まれて来たすぐれて近代的な家族形態である、というものだったからである。トッドの立論は、その先入見を引っくり返したわけである。
■これは、従来の学界の常識を転覆した、というアカデミズムの枠内での衝撃では済まない。最も先進的な近代性を体現するものであったはずの核家族が、最も「遅れた」原始的な家族類型である、ということになるからである。
(「訳者解説」より)

著者紹介

●エマニュエル・トッド(Emmanuel Todd) こちらをご覧下さい。

【訳者】
●石崎晴己(いしざき・はるみ)
1940年生まれ。青山学院大学名誉教授。1969年早稲田大学大学院博士課程単位取得退学。専攻フランス文学・思想。
訳書に、ボスケッティ『知識人の覇権』(新評論、1987)、ブルデュー『構造と実践』(1991)『ホモ・アカデミクス』(共訳、1997)、トッド『新ヨーロッパ大全ⅠⅡ』(Ⅱ共訳、1992-1993)『移民の運命』(共訳、1999)『帝国以後』(2003)『文明の接近』(クルバージュとの共著、2008)『デモクラシー以後』(2009)『アラブ革命はなぜ起きたか』(2011)『最後の転落』(2013)『不均衡という病』(ル・ブラーズとの共著、2014)など多数。編著書に、『世界像革命』(2001)『サルトル 21世紀の思想家』(共編、思潮社、2007)『21世紀の知識人』(共編、2009)『トッド 自身を語る』(2015年)(出版社名が明示されていないものは、いずれも藤原書店)など。

●片桐友紀子(かたぎり・ゆきこ)
1984年生まれ。青山学院大学フランス文学科卒業、同大学院修士前期課程修了。

●中野茂(なかの・しげる)
1966年生まれ。パリ第8大学博士課程修了(文学博士)、早稲田大学博士後期課程満期退学。早稲田大学高等学院教諭、早稲田大学非常勤講師。フランス文学・フランス語教育。

●東松秀雄(とうまつ・ひでお)
1952年生まれ。青山学院大学博士課程単位取得。青山学院大学講師。フランス文学。

●北垣潔(きたがき・きよし)
1965年生まれ。早稲田大学大学院満期退学・青山学院大学他講師。18世紀フランス文学。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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