- 鶴見和子 著
- 解説=中村桂子
- 四六上製 544頁 口絵2頁
ISBN-13: 9784894340947
刊行日: 1998/2
軽やかに飛翔する鶴見和子の思想世界!
水俣の衝撃が導いたアニミズムの世界観が、地域・種・性・世代を越えた共生の道を開く。最先端科学とアニミズムが手を結ぶ、鶴見思想の核心。
[月報]石牟礼道子/土本典昭/羽田澄子/清成忠男
目次
序 地球環境を考える
―― エコロジーの世界観
I 水 俣
1
水俣民衆の世界と内発的発展
地域に根づいた地球志向の文化
―― 水俣での調査体験から
砂田明さんと水俣乙女塚農園の事始め
ナガサキ・水俣
―― わたしの平和学
内発的発展の担い手
民際人の条件
2
多発部落の構造変化と人間群像
―― 自然破壊から内発的発展へ
水俣病は、 まだ終っていない
―― 『新編 水俣の啓示』 あとがき
II アニミズム
アニミズムと科学
アニミズム・シャマニズムと暴力のより少ない科学
日本人の宗教生活の土着性と世界性
男性支配の社会における女性優位の文化
文化の根としての女の力
生存の“根”から掘りおこす
宗教と女性
III エコロジー
エコロジーの世界観
現代社会と循環思想
―― リサイクル社会構築の糸口を探る
社会科学からみたエントロピー論
対談 教育としての田中正造 (鶴見和子×田村紀雄)
―― 水俣、 ソロー、 イリイチ
対談 エコロジー思想の源流 (室田武×鶴見和子)
あとがき
解説 最も遠いようで最も近いもの
鶴見和子
中村桂子
関連情報
南方熊楠、 柳田国男などの巨大な思想家を社会科学の視点から縦横に読み解き、 日本の伝統に深く根ざしつつ地球全体を視野に収めた思想を開花させた鶴見和子の世界を、 〈曼荼羅〉 として再編成。 人間と自然、 日本と世界、 生者と死者、 女と男などの臨界点を見据えながら、 思想的領野を拡げつづける著者の全貌に初めて肉薄、 「著作集」 の概念を超えた画期的な著作集成!
● 全巻構成 ●
〔附〕 年譜・著作総目録・総索引